2007/02/27
日當山酒造(鹿児島県)
 2/27(火)
 宮崎市のホテルから南下しまして、再び鹿児島県へ。

 これまでの蔵元とは違い、割と交通量のある国道沿いにこの蔵元はありました。

     

 いきなり大きなタンクが目に飛び込み、さぞかし最新鋭の蔵元なんやろうなと思っていたのですが・・・
 中に入ると外観とは違い、古くからあるような建物でした。

 最初に客間に通されまして、杜氏の山下さんに色々と話を伺ったのですが、外のタンクは貯蔵用に数年前に買い足しただけで、基本的には人の手が入る造りをしているとのことでした。

 現在、このタンクと瓶詰め場は新しくしたようですが、あとは以前のままということで、蔵を案内していただきました。
 米の浸漬・蒸しをするドラム蒸米機です。

 かなり年季が入ってまして、最近のものと違い、しっかり管理しないと良い蒸し米はできないそうです。

 山下杜氏曰く「水を張った瞬間から出来の良し悪しは決まる。」そうです。
 麹室です。

 この時はまだ仕込みの時期ではないので、使われていませんでしたが、床麹で麹を作っているとは驚きました!

 最近は三角の屋根の製麹機が多い中、この手間のかかる手造りの麹を使っているなんて・・・

 実際、製麹機を使う方が楽でしょうけど、手造りだからこそ、その日の蒸しの仕上がりや、米の良し悪しに対応でき、より良い麹に仕上げることができるんでしょう。
 一次仕込みをする所です。

 このすぐ裏に芋を蒸す機械がありまして、上の階の麹室から麹を下ろせるようになっています。
 蒸留器です。

 このバルブの多さにびっくりしました。
 こんなに多いところは見たことがないです。

 蒸留温度にも驚きまして。常圧は沸点が90度くらいと、まぁ普通なんですが、減圧の沸点はなんと36度だそうです!

 そりゃぁ円やかな焼酎になるってもんです。

 ちなみにこのバルブを組み合わせたりして、目指す品質になるように調整するようです。

 まさに蒸気の魔術師です。
 最後に芋を選別する場所を見せてもらいました。

 ちょうどこの裏が仕込みタンクになってまして、コンベアーで上がったところに芋を蒸す機械があります。
 日當山酒造の「アサヒ」は有名ですし、すごく最新鋭の大きい蔵を想像していたんですが、逆に人の手によって焼酎を造るということを大事にされてることが、非常に嬉しかったですね。

 杜氏さん自身も、若いスタッフに手造りというものを知ってほしいという思いが大きく、あまり機械に頼る製造はしたくないようでした。

 蒸気を巧みに操ることで、思い描く酒質を追求する技術も素晴らしいと思いますし、目からうろこでした。

 気が付けば、結構長い間お邪魔してまして、お忙しい中、有難うございました。
 日當山酒造を後に、そのままフェリーに乗る為に志布志港へ。

 毎回思うのですが、蔵で製造の現場を見ることも勉強になるのですが、やはり杜氏さんを始め、スタッフの方に色々な話を聞くのは非常に有意義な時間だと思います。

 今回も酒屋さんから蔵のスタッフまで、多くの方とお話ができて良かったです。

 ちなみにこの日のフェリーは低気圧の影響で、結構揺れましたとさ・・・
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